雪を手に取る

じゅわ、
手に触れた雪が融ける

雪を食む

ふわり、
羽のように口の中に入り込む

そして
跡形もなく消えてしまう

見渡す限りの白色、白色

大地も
空も
山も
海も
皆、白い

さしずめ僕は、
白いカンバスの上に垂れてしまった染みのようだ

きっとすぐに白く塗りつぶされるだろう

それに抗うように、僕はぱたぱたと雪をほろう

ずんずんと雪をかき分けて
歩く、歩く

どこまでも、歩く