ニヒリズム

 四時に目覚める。書きかけの文章の続きをぽちぽちと。のち、二度寝。
 八時、起床。普段より十五分ほど早く家を出た。
 電車はミチミチ。なんとか乗り込む。
 曇っているからか、やや涼しく感じられる。
 朝礼。クレームが来た。アルバイターごときの働きで口コミが左右されるなんて、ホテルも大変だ。マァ、千百五十円相当の責任くらいは負ってやろうか、と思う。
 今日はなんとか五部屋やった。顔だけ雨に降られたのか、というほどびしゃびしゃになる。どうにかならんのか、これ。冷蔵庫の中を拭くというタスクをすっかり忘れており、叱られた。
 爪が割れた。幸い出血はしなかった。爪が長いと危ない。気をつけよう。
 仕事を耐え抜いたご褒美にパンケーキ屋へ。店員さんに顔を覚えられていた。着席、即、今月限定のマンゴーパンケーキを注文。期待通りのおいしさ。シャーベットが特に良かった。暫くだらだらしていると、店内におしゃれなハッピーバースデーの音楽が。店内が拍手に包まれる。毎日が誰かにとっての特別な日である、という事実を思い出す。
 誕生日、年越し。節目。特別だと思えなくなってからどれくらい経つだろう。なあなあに日々が過ぎていく。生活にはハレとケが大事だという。楽しいかどうかではなく、自ら楽しむかどうか、ということなのかもしれない。
 最近、とくにバイトを始めてから、不安を覚えることなく人と話せるようになった。なんなら、妙に馴れ馴れしい。でも考えずに喋っているから、自分では制御できない。動けば疲れるし、疲れれば眠くなるので、躁でないことは確かだ。
 リーダーから明日来れるかと訊かれ、快諾。お賃金が欲しいので。
 スーパーに寄って、ぶどうジュースを購入。
 帰宅。布団でごろごろしながらスマホを眺める。伊吹と志摩のイラストがいっぱい流れてきてうれしい。
 腹が減った感覚はなかったが、書こうとしても上手くまとまらなくなってきたので、パスタにバジルソースをかけて食べた。

 規範も価値も人間が作り出したものに過ぎない、と考えているうちに、生きている意味も価値もない、ならば死んでも構わない、というニヒリズムに至ってしまった。とくにメンタルが落ち込んでいた訳ではない。
 私はどちらかと言えば善側の人間である、と思っていたが、悪ではないから善だろう、という、二元論に立脚した考えである可能性を考えた。私はただ、怒られるという痛みから逃れるためだけに悪を成さない。死を選ばないのも、そういうことだ、と。